先取り!社会人のマナー

第2回の作文講座のなかで余興として、開始ギリギリまでしようか、するまいか迷ったがしてみることにした。

<1.封筒へのお金の入れ方>
こんなことは中3~高3生に話す内容か、とも思ったが、聖徳太子の旧1万円札のモデルを全員に配って、どういう向きで封筒に入れるか、ということを話した。吉事と凶事で向きは異なる。これからの時代、電子マネーやクレジットカードの更なる普及で現金を扱うことはますます減っていくが、ゼロになることもないだろう。また、毎月に納めていただく月謝袋を見ていても、毎月見事にバラバラの向きで納めてこられるご家庭もあるが、向きが揃っていても袋に納める向きが凶事用になっているケースも少なくなかったりする。こういうことはデリケートな問題で、直接ご家庭に指摘すべきことでもないので、少なくとも生徒には正しい知識を持っておいてもらいたいと考えた。
(吉事は、封筒の表に紙幣の表で封筒の中に入る方向。凶事は、封筒の表に紙幣の裏で外に飛び出す方向で。Googleで「紙幣 入れ方」の画像検索すると見本はたくさん出てくる)

<2.Eメールの書き方(宛名・本文・署名)>
LINEであればそう堅苦しい形式を必要としないが、ビジネスで用いられるのは基本的にEメールなので、書式の基本を伝えておこうと思った。正しい書式は「宛名」→「本文」→「署名」である。本文だけ書いて名乗らない、などは論外である。尚、私の場合、生徒入塾時など比較的フォーマルな場合に「宛名」「本文」「署名」の形式でメールを書くが、通塾回数を重ねている生徒のご家庭とのやり取りにおいては「塾の神尾です。」と冒頭から名乗り、そのまま本文で終える便宜的な書き方を用いている。

<3.メールの返信は一往復半>
LINEでは「既読」が表示されるが、メールは相手に届いたかどうかが送信側には分からない。だから、「自分がメールを送信」→「相手が返信」→「自分が再度お礼の意味も含めて返信」という一往復半のメールが常識的とされる。これまた延々と返信を繰り返し、エンドレスなメールになってしまうのもやや疲れるが、「自分がメールを送信」→「相手が返信」だけで途絶えてしまうメールよりは遥かに心がこもっているだろう。この辺のマナーを知っておかないと、相手から【横着】だとみなされる可能性もあるので、メールの返信は過敏すぎるくらいでちょうどよいと私は思う。

<4.「先生」は「様」ではない>
これもまあ、わざわざ声に出して言うことなのかな、とも思ったが、近年実に出来ていない者が多いので言ってみることにした。私が「先生」と呼ばれる立場であるから特に敏感になっているのだろうが、相手が「先生」であれば、その方は自分にとって一生「先生」である。だから、その「先生」にメールや年賀状・お中元などで「様」と書くことは何年経っても無い。どのような場面でも敬称は「先生」とすべきである。例えば私にとって師匠にあたる人物に「○○様」などと書いたものなら、その師匠からは「神尾君、ちょっとアレかもね」と常識的でない人間として扱われてしまうということだ。

細かいことばかり気にしていると疲れてしまうが、こういった上記のようなポイントさえ押さえておけば、それなりにきちんとしている印象を相手に与えるものだ。