見えない成果を診る

成績を上げることの得意でない生徒にとっては、仮に順位が230人中200番台をウロウロしていて、新しくテストの成績表が返ってきても例えば199位。しかし、ここで「なんだまた今回も同じじゃないか、何やってるんだ」と生徒を責めてしまったら良くない。

こういう見方をしてみよう。今回の2学期中間テストのある生徒(O君)の実例だ。


平均点に対する本人得点の割合(単位は%、時系列は「(入塾)→3年1学期中間→3年1学期期末→3年2学期中間」)

【国語】48.4→41.6→58.6

【社会】53.7→55.6→71.7

【数学】69.0→95.0→103.0

定期テストの成績表を見ながら、得点を平均点で割り算する。すると、O君の平均点に対する得点率が上昇していることが分かる。上記のように国語・社会・数学においては過去最高の得点率を打ち出していることになる。数学に至っては103.0%と、2年次以降全教科の中で初の平均点超えを見せている。私に言わせれば「赤飯炊きましょう」モノである。

O君の場合は数学の計算と社会の一問一答に注力した取り組みが功を奏していると推測できるが、このように成績表に印字された数字の更に奥に有るデータを読み解くことで、授業の効果測定が可能となるのだ。得点や順位の上下だけで一喜一憂をするのが必ずしも的を射ているとは限らない。こうした「見えない成果」にこそ静かに目を向けたい。