一本化はしない

県立高校入試が一本化されるのか?と、ご家庭の方から質問を受ける。今年から商業・工業などの専門学科は前期100%となり事実上の一本化がなされたが、普通科については従来通り前期60%・後期40%の2段階選抜となっている。そして、現時点で普通科の一本化については決定されておらず、仮に今決定したとしても周知期間が必要となるから最低でも現小6からの適用となるだろう。

ここまでは色々な所に書かれているので特筆すべき話ではない。

専門学科が前期100%になったことから、県立高校入試全体の一本化への流れが加速するのではないか、という見方もあるようだが私は違うと見ている。専門学科が前期100%・後期0%になったということは、専門学科は前期方式で100%の生徒を採用できるということだ。

前期選抜は以前の特色化選抜の理念を継承しているため、各校独自の基準での選抜がなされる。それに対して後期選抜は県統一基準での選抜がなされる。殊に前期選抜においては1日目に学科試験、2日目に面接試験・自己表現などの各校独自の検査が課され、この2日目の自己表現というのがミソで、部活動を中学から高校へ継続して取り組む生徒にとってはこの自己表現でそれなりの加点がなされることになる。

従って前期1日目で学力点が足りなかった生徒でも、2日目の自己表現の部活動に関する実技で大きな加点が上乗せされれば、学力に関わらず合格ということが十二分に有り得てくる。実際、そういった加点で偏差値10以上の高校に合格することが可能になっているのが、現在の千葉の前期選抜という制度だ。

専門学科はこのある意味不透明な制度を100%の生徒に適用したということであり、高校にとっては部活動における青田買い?生徒募集が更にしやすくなったことは言うまでも無い。従って、前期0%・後期100%という一本化ならば学力を基準とした極めてクリーンな一本化と言えるが、前期100%・後期0%という一本化が果たして手放しで喜べるものかどうか、ということは私は大変疑問に思っており、

まして部活偏重の傾向が強い千葉県において、中学校にとっても高校にとっても部活動におけるメリットの大きい前期選抜の方式を捨てることが出来るのだろうか、ということを考えると、現行の2段階を維持することが暗黙の了解のような流れで進んでいくのではないかと私は考えている。どうだろうか。