青ペンを持て

全生徒にフリクションの赤・青・緑ペンを持たせるようにしている。フリクションでないと、特に女子生徒は文字を書きえた際に修正テープに頼ってしまうことが多い。これは時間もモノも無駄で、「学習」よりも「ノートをきれいにすること」という表向きの目的に視点がいってしまうから、フリクションの登場はあまねく生徒たちの学習効率を高める上で好影響となっている。

学習に困難のある生徒は自力で解答冊子を見て丸付けをすることが難しい。合っていなかったり、何か文字や記号が抜けていても、悪気無く正解の赤丸をつけてしまうことがある(これは注意力の問題に由来)。当該生徒がこの状況に陥っているかどうか、という見極めがまず大事になるが、特にそういう問題を抱えていなければ、必要に応じて私も抜き打ち式に採点することもあるが、特にワーク練習などで生徒自身に正確な採点をさせる習慣をつけることも大切だと考えている。

そして、重要なことは赤ペンでの○×をつけておしまい、ではなく、更に青ペンを持たせて、「なぜ間違ったのか」「どのように改善すればよいのか」「注意点は何か」ということを生徒自身の言葉で書かせることである。

勉強において、これが決定的に重要だ。なので教材にもよるが、最初から解答冊子を渡してしまうことの是非は大した話ではなく、その解答冊子を使ってどのように学習させていくか、ということが指導の鍵であり、その青ペンの書き込みが適切かどうか、的を射ているかどうかを一つひとつ確認して、必要に応じて指摘していくのが指導者の大事な仕事となる。

色ペンの優先順位としては「赤=第1位、青=第2位、緑=第3位」として、ただしこれも生徒によってその優先順位づけが不要な生徒にとっては「色が重ならないように(ノートに一色で書き込むと見分けがつきにくくなるから)、色がバラバラになってノートが見やすくなることを心がけなさい」という指導も有り得る。

いずれにしても、「書きなさい」「直しなさい」の与える一方通行ではなく、生徒自らが青ペンを持ち、自ら気づいたことを書き込むということが何よりも大事だ。