音読の効果

私は授業中に生徒に音読をさせることが多い。漢字テストをしたら、その文章を全部読ませる。英語の文法プリントを解いたら、そのプリントを全文和訳しながら音読させる。だから私の授業スペースからは生徒の面々からお経のように音読する声が断続的に聞こえるようになっている。

これは、これまでの指導経験の中から出てきた一つの「答え」であって、読みの力を鍛えるという意味もあるし、視覚と脳を繋げてそれを口頭で発するという一つの頭脳の循環効果もある。また、生徒にとってはジッと下向いて問題を解いているだけでは飽きてしまうし、それこそ疲れてしまう。だから音読の時間がちょっとしたブレイクタイムになっているのだ。

塾の限られた授業時間の中で、形式的な休憩時間は一切必要がないと私は考えている。「じゃあ、5分休憩しようか」「10分休んでおこうか」というのは不要ということだ。

つまり、【真の休憩とは気分転換をすること】であって、形式的に何分間かボーっとする時間を確保したとしても、その後に気分が一新されていなければ休憩したことにならないのだ。だから、授業をしながら科目を数学~英語~数学~国語~英語のようにサンドイッチしながら切り替えていくのも一つの気分転換であるし、声を出すことが許される音読タイムはまさに気分転換にはもってこいなのだ。