読解力の育て方

幼少期からのことで言えば、いろいろな所に子どもを連れ出すのはとても良いことだ。テーマパークといった娯楽のお出掛けだけではなく、子どもが関心を持たなくても絵画展や街歩き、旅行に連れて行くのは良い。家族旅行だとどうしても「楽しかったね」「面白かったね」で終わってしまうことが多いが、その外出で収集したパンフレット類を台帳に貼り付けたり、その日に通過した路線をあとで地図でたどってみたり、先週の塾通信にも書いたが「経由地」を「目的地」に変換させて、記憶に染み付けていくことも大切である。

こういう実感をともなった経験が増えていく事で頭の中も活性化されるし、それによって好奇心も育まれていく。

最近は外食時にゲーム機やスマホをジッと見つめたままの子どもも多く見かけるが、それは「身体だけ外出している内面的な引きこもり」でしかなく、そういう行為は大人が慎ませるべきである。

本を読まない人間は話にならない、的なことを森信三先生は仰っておられるが、本は机に向かって読むことは子どもにとっては退屈かもしれない。そういう義務的なものではなく、学校の休み時間や、電車に乗った時に手すりに寄りかかりながら、結構集中して読めてしまうものである。親に読書癖がついていると、子どもは真似をして読書するようになる、ということも言えなくはないだろう。

また、そのために日常から大きい書店に連れて行くことも大切だ。近年は鎌ヶ谷周辺でも大規模書店が増えてきたが、時には東京駅前の丸善や八重洲ブックセンターといった大型書店に連れて行きたいものである。最初は何のジャンルでもよい。本というそのものに関心を持てるようになれば尚良い。各フロアを歩いているだけで、思わず足が止まってしまう場所はあるはずだ。

本はただ読んでおしまい、という読み方もあるが、私は随時大切なポイントに付箋を貼りながら読んでいく。そして、一通り読んだ後に付箋部分を読み返して、さらに印象が強まった部分は紙やパソコンで書き出して記録していく。そういう時のためにブログやツイッターを使えば良いのである。他人の目に触れるものとなれば、何とはなしに緊張感をもってダイジェストや要点、自分なりの感想を書ける。そうして印象と記憶が強く残り、読む力も強化されていく。

こういうプロセスをどうにかして学習塾の中で取り入れられるようにアレンジしていきたいものである。ここに述べた話は決して大人向きの話ではなく、小学校高学年以上ならば通用する話である。各家庭の参考にはなるはずだ。