続・R君

R君のお母様から久々に連絡を頂いた。塾通信での紹介を許可していただいたので、以下掲載させていただく。
(※固有名詞は伏せている)

Rの母です。大変ご無沙汰をしております。夏本番で、毎日暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。Rの近況報告をさせて頂きたく、メールをさせて頂きました。お忙しいところ、申し訳ありませんが、ぜひ読んで下さい。

無事に二年生に進級することができ、喜びと不安の四月から、あっと言う間に一学期が終了してしまいました。進級当初は、クラス替えで仲の良かった友人と離れたりしたこともあり、一年生が良かった!クラスがつまらないなどど申しており、ちょっと心配しましたが、何とか乗り越えたようです。一学期に一度風邪をひいて高熱を出してしまい、一日欠席をしてしまいました。残念です…それ以外は、欠席も遅刻も早退もなく、頑張っています。

一学期のテストの結果ですが、クラスで3位、全体で8位という結果でした。実は、Rは五月からアルバイトを始めたのです。正直、私は心の中では、これから進路を決めて行く時期なのに、アルバイトなどしてて良いものか…と悩みました。しかし、本人の意志が強いのと、もっと外の世界を見る、世間を知るという意味でも、やってみるのも良いかなと半々状態でした。

ところが、アルバイトを始めてからのRは、前より生き生きとして、勉強も進んで始めるようになったのです。アルバイト先は、ディズニーランドの隣の○の中にある、外資系の○屋さんなのですが、オープンニングスタッフ募集の広告に、自分で連絡をし、面接の準備をし、何もかも、初体験でした。幸運にも、約60名の中からの20名に選ばれて、採用して頂きました。この事も、本人には自信になったようです。Rが最年少らしく、大学生の方が多いようです。

このアルバイト先で、Rはいろいろな方と出会い、感化されて、大学に進学したいと思うようになっていったようです。一年生の頃は、卒業したら自衛隊に就職しようかなと言っていたのですが、今は、はっきりと進学したい大学に行きたいと考えているようです。しかも、英語や外国語を学びたいと言うのです。アルバイト先が、外資系という事もあり、社員の方が英語を話せる。また、場所柄、外国人のお客様が多いらしく、カタコトの会話で接客をするうちに、英語や外国語に興味を持ち始めたようなのです。もともと、留学してみたいとは、よく言っていたのですが…

そのような事もあり、一学期のテストは良く勉強する様子がみられました。しかし、なかなか自己流での勉強では、難しいようです。だいたいの教科は80点90点台だったのですが、数学が意外に点数をとれなくて、落ち込んでいました。そうしたら、Rが突然「神尾先生の塾辞めなければ良かった。何で辞めてしまったんだろう」と言ったのです。しかも、翌週にもまたです。やっと、気がついたのね。そう心で思いました。

実は、Rが今行きたいと希望してる大学が、K大学なのです。先週二人で入試説明会に参加してきたのですが、Rは先の不安と焦りが非常にあるようで、簡単にいきそうもない受験にどう突き進むべきか、悩んでいるようです。説明会の帰り道、また突然「中学で勉強しておけば良かった!何であんな事で行かなくなったんだろう」と言ったのです。初めて、不登校の事を語りました。驚きと喜びと半々の私でした。

そして、更に「神尾先生に会いたい」と突然言うのです。「神尾先生に会いに行きたい」と。Rの中で、今色々な思いが入り乱れているのでしょう。自分に勉強やらいろいろな自信を取り戻してくれたのは、神尾先生だと、改めて気づいたのだと思います。

小6から中3まで4年間続いた不登校。中3の4月に指導を開始して、小学校の復習から徐々に中学の学習内容を扱って、高校受験までたどり着く。いま思えばそれだけでもミラクルだが、今では元気に高校に通っている。

通常は高校進学が決まった時点で指導終了にすることが多いのだが、R君については、もう少しやってみようかということで高校数学に着手することになった。高校生活が軌道に乗り、「自分で頑張ってみる」ということで5月に終了。

本人の意志、家族の本気、塾の現場監督としての采配、高校の受け入れ体制の充実度。これらが相乗効果を出すと、このようなミラクルが現実になる。ここまで来れば、R君の人生が幕を開けたと言って過言でない。