この地域の中学校は試験3日前まで部活動を行っているが、本当にあり得ないことだ。都内でも2週間前には朝練停止、1週間前には午後練習も完全停止となっているが、これが真っ当な考え方だと私は思うのだが、どうだろうか。
さて、塾では、生徒の意識的・学力的な段階に応じて、「テストに関わらず基礎学力を強化する取り組みを行う生徒」「学校ワークの取り組みを進めさせる生徒」「試験範囲表からすべき項目を事細かに抽出して、完全管理型で試験勉強をさせていく生徒」、この3段階に分かれる。生徒の意識レベルと学力に合わせた取り組みにしていかないと効果が得られないし、子供がそうでもないのに、大人だけが必死になってアレコレ指示するだけでは単なる大人の徒労に終わってしまう。
上記の3番目に「すべき項目を事細かに抽出して」と書いたが、それが「To
Do」リストというものだ。試験前になると学校から計画表なるものが配布されて、学校に提出するようになっているが、私はこれにあまり価値を感じていない。詳細かつ具体的な計画を立てられる生徒もいるが、むしろ、「○日=数学ワーク」「△日=国語ワーク」「×日=社会のプリント」のようにどうしようもないアバウト過ぎる項目だけを書いて、それだけで終わってしまっている生徒の方が多い。
そこで、私としてはそんな抽象的・形式的なものではなく、すべきことを全部書き出す「To
Doリスト」で充分だという考え方を持っている。私もそうだが、日常の仕事でTo
Doリストを活用している大人は多いだろう。すべきことを頭の中ではなく、紙の上に書き出し、それに優先順位と予定日を割り振って、あとは片っ端から片付けてしまおうということなのだが、それを中学生の試験勉強でも取り入れようということだ。
例えば、これでもアバウトなのだが、
(1)数学ワーク:P.92-106を終える⇒学校に提出するため 優先順位A 予定日○日
(2)数学ワーク:P.92-106をノートで反復練習 優先順位B 予定日△日
(3)教科書:P.78-95の練習問題 優先順位C 予定日×日
(4)解の公式の暗記 優先順位A 予定日○日
といった具合。もっと細かくすることも出来るが、細かすぎるのも良くない。終了してもう戻る必要のない項目には抹消線を引いて、目の前からその存在を永久に消してしまえばよい。
このリスト作りのために「範囲表・教科書・ワーク・資料集」など必要な道具を全て目の前に置いて、セルフ戦略会議をおこす。塾ならば生徒がTo
Doリスト案を出して、私が必要に応じて修正を加えていく。この準備にこそ時間を掛けるべきで、先日のとある生徒でも3時間以上はかかった。
そうすることで、生徒は全体のすべきことを把握し、それぞれの取り組みが全体の中でどのような位置づけにあるのかを認識できる。こういった具体的なTo
Doリストが出来れば、あとは機械的に淡々とこなしていくだけだ。指導者としては設定日通りに進んでいるか、取り組み内容と進捗状況をチェックしていく。
塾生でここまでの取り組みが出来る次元まで進めるのは現時点でほんのわずかだが、こういうことが出来る(ある程度意識の高い)段階に進める生徒に一人でも二人でも多く育って欲しいものだ。