アスペルガー症候群【4】 一歩先の学問に興味を持つ

アスペルガー症候群の子供たちが「天才的」だと思う理由として、下から積み上げていく順序立てた学習は苦痛でも、その先の山の頂上にある本質には興味を示すことがあるということだ。分かりやすい例として、5月1日に脳科学者の茂木健一郎さんがツイッターで書かれていたことを引用してみる。


日経サイエンスみたいな科学雑誌だとか、ブルーバックスとかを僕は小学生の時から読んでいて、ブラックホールとか、量子力学とか、相対性理論とか、なんとなく知っていたんですよ。だから、正直、 学校の教育って、関係ないところがありました。
脳科学者 茂木健一郎博士_bot ‏@k_mogi_bot

これを茂木さん自身がリツイートする形で次の文章につないでいる。


今RTしたぼくのbotみたいに、学校教育って、本当は関係ないんだと思う。自分で勝手に何でもやっていく子どもになる
/そんな子どもを育むのが、いちばんいい教育だと思います。
茂木健一郎 ‏@kenichiromogi

このコメントは、アスペルガー症候群の子の指導にとっての大きな指針になると思う。つまり、過程を大切にする勉強に、何が何でも縛り付ける必要はないということなのだ。

むしろ、大型書店へ連れて行って、気に入った本を見つけさせる、そしてそれを読ませる。他に「科学の祭典」に連れて行ったり博物館に連れて行ったりして科学者の話を聞かせたり、そういったことにシャワーのように触れさせてしまうのである。

つまり、下から積み上げていく勉強ではなく、頂上にある結論を先に見せてしまって、そこから逆戻りする形で本人が必要と感じたことをつまみ食い学習させていく。過程を大切にする勉強は、必要に応じて後から付け足していけばいい、ということなのだ。

もちろん、彼らは不適切な言動や行動をしてしまうことが多いので、それはそれで毅然と指摘し、改善させていかなければならない。ただ、選択肢を広げ、もう少し彼らを自由に泳がせる度量を私達がもっていかなければならないことも確かだろう。