テレビ60年

テレビをつけていたら「テレビ放送開始60年」の特番の再放送をNHKで放送していた。演歌歌手の北島三郎のインタビュー。

北島が高校生の時にNHK「のど自慢」に出た。司会が宮田輝(てる)アナウンサーで、歌った後の評価の鐘は「2つ」しか鳴らなかった。
しかし、歌唱後に宮田アナウンサーから「いい声してますね、学生さんですか」と優しく声を掛けられた。

それを聞いて北島三郎は「俺は今さら大学なんかじゃなくて、歌手で頑張っていけばやっていけるんじゃないか」と思うようになり、今日の北島三郎があるのは宮田輝アナウンサーのあの一声がきっかけだったのではないか、という話。

以降、北島自身が「のど自慢」にゲスト出演する時には、素人出場者に対して、鐘の数が1つ2つでも「上手かったよ」「今日の鐘は2つしか鳴らないように決めていたんだよ」「鐘が足りなかったな…」と出場者をフォローする声を掛け、合格の鐘が鳴った高校生出場者には『希望は大きく、夢は実現する。頑張った方がいいよ!」と声を掛けた。

宮田輝アナウンサーの一声が北島三郎を育て、今日の北島三郎の一声が次の若者を育てる。このような立ち位置を自覚しているからこそ、北島の言葉に愛情、思いやり、温かさを感じずにはいられなかった。

言葉が人生を変える。