頭の良さとは、場面に応じて視点を切り替えできるかどうかの能力だと思う。
時には近づいて見たり、遠ざかって見たり、左から見たり、右から見たり、見方が変われば考え方も変わるので、それを使いこなせる人が頭の良い人だと私は思っている。
勉強の効用のひとつはそこにあって、国語・算数・理科・社会といった教科学習、つまりプラモデルを使ってモノの見方の訓練をしているのだ。
社会に出たら、あらゆる生活、あらゆる人間関係、あらゆる仕事の場面で視点の切り替えが求められる。その応用編に入る前に基礎編をプラモデルで予行演習しようというのが勉強の目的である。
さて、これは中学1年。数学の作図問題。
辺ACの中点を聞かれているので、点Bは一切無関係なのだが、視点の切り替えの苦手な生徒は点Bに「とらわれて」しまう。
そこで角Bの二等分線を描いてしまって、結果として辺ACの中点にMを打てない。そうではなく、点Bにとらわれずに辺ACだけを着目しなければならない。
「とらわれ」度合いを見抜かれてしまう、実に秀逸な問題だ。
◆
当塾についての詳細な情報はこちらをご覧ください。