視覚認知の訓練

例えば自分の1m先に1辺30cmの三角形があるとして、その三角形の頂点3ヶ所に注意してみる。
勉強って、常に上・右下・左下と視点を移動させながらその3点を見続けていく作業ではないか、と思う。社会人になってから、好きか好きでないかに関わらず勉強に向き合ってきた人と向き合ってこなかった人の違いは、前者は3点を交互に見ることができる人で、後者は1点だけを見たら、そこから視点が移動できない人ではないか、と。

個性とも連動するのでこの話は一概には言えないが、1つの点にとらわれてしまって、他の点が見えなくなる人がいる。ところが例えば数学で公式を使いこなして問題を進める場面では、ここでAの公式、Bの公式、Cの公式を組み合わせないと問題が解けない。つまり、視点の固定を強制的に打ち崩されてしまうのが勉強で得られる最大の成果ではないか、と思う。

これは思い込みの打破であったり、とらわれていた考え方からの解放であったり、頭脳の訓練と視覚の訓練は連動しているのではないか、と最近強く思うのだ。

また、その3点を常に視点移動させながら、どこかにバグが発生していないか、それぞれを注意して見るという「集中力」の訓練にも勉強がなっていることは言える。これ意外と社会人になってから、資料に目を通したり、商材を比べるような場面で、学生時代の勉強、つまり視覚の訓練がものすごく役立つことに気づく。反対にいえば、視覚の訓練をおろそかにしていた者はミスを犯しやすい。そんなことを意識していると、歳を重ねてからの老化防止にもきっと連動するはずだ。

初歩的な訓練としては「数独」も視覚のトレーニングとしてはもってこいである。神尾塾では小学生の多くの指導で「数独」を毎回取り組ませている。