くもん

私は小1?から小4くらいまでくもん式に通っていた。江東区の冬木町という所に、鈴木先生という厳しい先生がいらした。教室には机がギッシリ並び、生徒は個人棚から自分のノルマプリントを取り出して、机に黙々と向かう。教室の入口には横長テーブルが並び、大学生、主婦のアルバイト講師3人が解答集と赤ペンを手にしている。自分のノルマを終えた生徒は、添削の列に並ぶ。

新しい計算――小数の割り算など複雑な計算が出てきた時は、全く手がつけられず、でも横で先生が教えてくれる訳ではないので、わからないまま3時間くらい経過すると、泣き出していたような記憶がある。恐らく、現在もシステムはこれとほとんど変わりがないと思う。自主学習のスタイルである。ただ、教室によって雰囲気の差は相当にありそうだ。

私はくもん式の教材は基本的に好きで、生徒の計算力を高めるために市販の計算ドリルをよく使う。しかし、ここからが問題だ。くもんのプリントを頭から解いていくと、同じような問題があまりにもたくさん並びすぎて、作業がマンネリになってしまう。飽きるのだ。そして急に異種の問題が出てきた時の瞬発力が養われない。ここがくもん式の最大の問題点だ。くもん式の教材は好きだが、くもん式の教室運営はどうなのか?と疑問を持っている所以(ゆえん)である。

私の場合、市販版を使うので、一人の生徒につき複数学年分を買い込む。例えば小3生ならば、小4の小数・分数、小3の足し算・割り算・掛け算・割り算、というように。それを、大人の采配でランダムに「飽きさせないように」複数セットにして生徒に解かせる。ここで異種の問題を抱き合わせる事で瞬発力が養われる。そして、飽きない。その生徒にとって不要なプリントは使わずに捨てていく。こうすると、くもん式の教材の強みを最大限に発揮出来る。本当は、くもん式の教室でこれが出来れば一番いいのだ。…実際は大人の手間がかかりすぎて、出来ないだろう。また、生徒一人ひとりを理解していないと、生徒にぴったりの教材が渡せない。

ちなみに、私はくもんの教材を卒業したら、桐杏学園の計算問題集へ進む。分数・小数の四則混合計算がランダムに並んでいるので、計算力強化にはもってこいである。

追記
私はその後、純粋に理系への道をたどったが、そのベースは小学生の公文式での訓練にあると認識している。高校の微分積分がすごく楽しかったのを記憶している。