積み重ねの力

1学期中間テスト、および今年度初回模試の結果が出てきたので、一部をピックアップしてみる。

■F君(高2)
学年211人中198位→クラス総合4位・クラス数学1位(中学2年3学期→高校2年1学期)
※通塾2年4ヶ月

F君も実に色々なことがあったが、中学2年の入塾当初に比べて本当に成長した。この頃は一段としっかりしてきて、中学校でほぼ最下位だったのが高校で上位を取れるまでに伸びてきた。成績はひとつの尺度でしかないが、積み重ねというものは一朝一夕に出来るものではなく、時間をかけて微調整をしながらじっくりコツコツと取り組みを継続させることなのだろう。

■H君(高1)
クラス順位:40人中1位、学年順位320人中8位(高校1年1学期中間)
※通塾2年9ヶ月

成績が全てではない。しかし、努力して報われる世界があるのだということを今回H君は体験してくれた訳で、これは私として素直に喜びたい。「求めよ、さらば与えられん」という新約聖書・マタイ伝の通り、正しい努力をする人間に神は必ず祝福を贈るのだ。

■Oさん(中3)
偏差値推移:5科50→60(2年9月→3年6月)
※通塾1年2ヶ月

受験道を突き進むOさん。毎回の確認テストを確実に練習して解けるように準備をしたり、「すべきことをする」というごく当たり前なことを当たり前に出来る生徒はそう多くはない。それが出来ているから伸びるわけで、8月以降模試の競争は激しくなっていくが、来春に一定の成就が迎えられるように私も頑張りたい。

■Yさん(中3)
学年順位:数学160位→推定50位(2年2学期中間→3年1学期中間)
※通塾9ヶ月

前回2年の学年末で確定値73位まで上昇しており、3年生が教科ごとの順位を出されなくなってしまったため得点・平均点の推移から「推定」と書くことにした。ちなみに2年学年末の実力テストでは34位まで上がっているので、この推定値を出している根拠となる。数学ならば芽が出そうだ、と入塾以来数学に特に力を入れてきた。それが数値に表れるのは喜ばしく、またYさんにとっても自信となるだろう。神尾塾のパンフレットに「自己肯定力を育む」と書いているが、Yさんなりのそういう流れになっていれば良い。

■M君(中3)
学年順位:数学122位→74位(2年2学期末→3年1学期中間)
※通塾6ヶ月

サッカーのクラブチームとの両立で心身ともに忙しいだろうが、やっと、やっと少し形になってきたような。生徒により個人差はあるが、6ヶ月とはそういう時期である。「ローマは一日にしてならず」。M君も数学でまず得点させることを中間テストまでは注力。でないと「塾に行ってます、全教科やってます、でもいまいち成果が見えません」では意味がない。

■Mさん(中3)
数学得点:24点(平均59.6)→38点(平均53.8)(2年学年末→3年1学期)
※通塾3ヶ月

彼女はとにかく数学が苦手。ド苦手の原因は苦手意識とか数学的センス(そんな高尚な話ではなく、計算のセンスといっても良いだろう)とか根深い要因があるように見える。そこを力ずくで改善に向かわせようと探っていっている最中。遅くとも小6くらいから私が見ていればこんな風にはさせなかったのになと悔やむ。時間が経てば経つほど取り返しがつかなくなるのだ。それでも平均点が下がって得点が上がったという結果は彼女にとってはこれまでにない快挙なはずで、そこまで本人がこの成績表の数値を理解出来ているかどうかは知らないが、こういうスモールステップを大切にしていきたいものだ。

■H君(中2)
学年順位:3科146位→56位(1年1学期→2年1学期中間)
※通塾1年1ヶ月

まずは数学と英語。まさに積み重ねの教科。ちょっと先取りしながら過去単元も随時反復する。このようにスポーツテストにおける反復横とびのような勉強法が学力の涵養には好ましい。でないと進度を追い続けているだけでは過去単元はどんどん記憶から薄れていくし、演習力がつかない。H君の適性・特性を見ながら、苦手分野を極力減らし、取れる分野で確実に取れるようにさせていくこと。その戦いが残り時間19ヶ月。

社会科で当人としては驚きの80点をとったM君のことなど、他にも書きたい事例はあるのだが、小規模の個人塾としてはまあまあ仕事出来ているだろうか???

当事者でない人間が見れば「なんだその程度か」と思えてしまう結果でも、当事者にとってみれば七転八倒して得た喜びの結晶であったりする。全てにおいて共通していることは、積み重ねの力に勝るものはないということ。また、正しい取り組みは時間をかけてじわじわと身につき、いつかは目に見える結果に反映されてくる時があるということだ。