千葉日本大学第一中学・高校(船橋市)

日本大学と言えば、全16学部・68,000人という日本一の学生数を擁する総合大学であり、「人数が多い」「大きい」というイメージが強い。しかし、全体としては大規模であるが、実際には各学部ごとに独立したキャンパスを持ち、運営も学部ごとに行われている。NU祭といった日大全学の行事もあるが、それは学生達にとって主流の出来事ではなく、それぞれの学部の中で少人数に区切られながらこじんまりとした学生生活を送っているのが実際のところだ。

付属校の場合も、日大の大規模なイメージからガサツな印象を持たれることがあるかもしれない。しかし、それは真逆である。どの他の私立学校よりも地味で、堅実で、先生方の年齢層が高く、落ちついた校風を持っているのが本校、千葉日大一中・高である。

本校は日本大学の特別付属校といって大学とは別法人で独立した経営がされて、日本大学の親戚のような存在となっている。両国の日大一中・一高と本校は同法人(日本大学第一学園)の下にある。ちなみに日大豊山・日大習志野といった正付属の学校は学校法人日本大学の傘下にある。

東葉高速線船橋日大駅から徒歩15分。日本大学理工学部のキャンパスを通り抜けた先に、日大習志野高校、千葉日大第一小学校、そして本校が隣接している。校舎は中学校舎・高校校舎・芸術棟(剣道場、音楽室、美術室)・体育館に分かれ、それぞれ渡り廊下でつながれている。芸術棟が”比較的”新しいことを除いては、その他の校舎は年季が入っており、今どきのホテルのような造りの新校舎が増えてきた私学に比べて、昔ながらの学校の趣きがある。

元々は男子校であったが、約10年前に共学化。進路先としては、6割程度が日大に進学し、他大は3割、難関大学受験のための浪人は1割となっている。基本的な教育方針として「起床時間」「家庭学習時間」「就寝時間」の正しい生活習慣を確立させることが挙げられる。これらを自分で律することの出来る生徒に育てていくということだ。大学付属、または中高一貫校(高校募集も行っている)ということもあり、中だるみを如何に抑えるかという点に気を配っている。その結果が中3生の農業体験(希望制・50名)であったり、高1-2年の医薬体験となる。後者では、日大駿河台病院での看護体験、歯学部での歯科体験、薬学部での電子顕微鏡など高度な器材を用いた実験など、高校の先を見据えた刺激を高大連携として取り入れている。

尚、「勉強+精神面の充実」の二本柱を大切にしているため、クラブ活動だけを目的とした生徒を受け入れることはしておらず、定期テスト1週間前には、全部活が完全停止となる。

中学校は共通クラスで、高1で普通クラスと希望制の習熟クラス(1-2クラス)に分かれる。分かれるとは言っても、他校のスーパー特進・特進・総進のような過度なレベル分けをする訳ではないので、生徒自身に優劣を感じさせる格差社会のようなものは起こらないだろう。健全である。高校2年以降は文系・理系それぞれ日大進学、他大進学の4コースに分かれて、方向性に適した学習を行っていく。他に、希望制でケンブリッジ大学の語学研修(3名限定)やオーストラリアでのホームステイ(選抜試験を合格した生徒のみ)も用意されている。

日大そのものがそうなのだが、日大生としてどの学部に入学しようが、単位互換で例えば芸術学部の授業を受けたり、湘南に行って生物資源科学部で畜産の授業を受けたりすることが出来るように、本校も希望すれば様々な体験に参加することが出来るのである。つまり、何が言いたいのかというと、好奇心旺盛に様々な体験をしようと思えばそういうことが出来るし、特に希望をせずにノホホンと6年間を過ごそうと思えば、そういうことも可能だということである。これは日大も同様である。チャンスの宝庫で、それを生かすも無視するも自分次第といったところだろうか。

先生方の年齢層が高いように、他校よりも高い安定感を感じさせるのが本校の何よりもの特徴だろう。授業を覗くと、ダラーっとしている生徒もいるし、実習系の授業ではワーワーと騒がしかったりもする。でも総じて富裕層が多いような印象もあり、それが恐らく学校が心配しているところの「中だるみ」の問題に繋がっているのかもしれない。

高校入学者の方が中学入学者に比べて日大志向が強いということであるが、学校として派手な要素がないので、生徒は集まりにくいようである。実際、今年の中1は定員240名(6クラス)に対して入学者は197名(5クラス)。説明会へ参加する塾関係者も、そう多くはない。それでも、受験倍率は1.5倍程度で3人に1人は落ちているわけだし、進路実績は良好であるし、総じて安心して通える(私ならばむしろ生徒に通わせたい)学校と言えるのである。

最後に図書館について。
校舎地下1階には6万冊の蔵書があるという図書館が設置。公立図書館並みの完成度の高さで、最新の新聞・各種雑誌も完備。約100台の自習用デスクも設けられている。

(6月13日訪問)

この記事を書いた人

kamiojuku