受験の終了した生徒・ご家庭による卒塾感想を数週に渡って紹介してきた。この中に、「神尾塾で礼儀、マナー、人生論を学んだ」といった声が複数寄せられていた。
私は、「礼儀・礼節」などという言葉をいちいち口にするのは恥ずかしいことだと思っているし、ただ当たり前のことを当たり前に出来るようになって欲しい、そう考えているだけである。生徒には「物は両手で渡せ」「椅子は奥まで仕舞え」「ウンとうなずくのではなくて、ハイと返事をしろ」「塾の辞書を借りるときは一声かけなさい」、ご家庭には「メールは必ず返信しましょう」。
こういうことは私の中では常識と位置づけているのだが、昨今こういったことが本当に崩れているように思う。恐らく、学校や多くのご家庭で実践されていなかったり、指導されずに見過ごされてしまっているからだと思う。(申し分なく出来ている生徒・ご家庭は新入塾のうち3割程度だろう)
中には「こんなことまで指導(指摘)しなければならないのか…」と落胆させられるものもある。そういう想いをしたくないから現在では「塾規約」にまとめて守っていただくべきことを列挙するようになったのだが、それでも「書いてあるのに!」読まれていない、守られていない、ということもよくある。
もちろん、最初から完璧を求めていないし、入塾から3ヶ月は試し運転で塾の雰囲気に慣れながら、徐々に改善したり習慣づけるべきことを習慣づけていくことが現実的だ。
ただ、私が一つ確信しているのは、現在の神尾塾での習慣が身につけば、いざ受験や就職で面接をすることになっても練習の必要がないくらいの振る舞いが出来るようになる、ということである。行動が美しく、しっかりしている人は「君、しっかりしているね」と、他人から見ていても信頼を集めるし、第一、人から好かれやすくなる。
このように、塾内限定のしつけではなく、社会全般に普遍的に通じるような行動規範を神尾塾で身につけさせるようにしたいと思うのだ。