仮に1から10まで段階があるとして、1にいる生徒に2の宿題を出すとそれなりに解ける。1にいる生徒に3の宿題を出すと生徒としてはやや苦しいが参考書を調べたりしてまあどうにかなる。1にいる生徒に4の宿題を出すと生徒は四苦八苦を始める。1にいる生徒に5の宿題を出すとその生徒は塾から気持ちが離れる。
このように、段階を見なければ適切な宿題を出せない。これは非常に重要な話だ。先日、外構デザイン・工事業を営む経営者の方と話していて、その方が部下に対する姿勢として全く同じことを仰っていたのですこぶる共感した。
特に外から目標を与える場合、あまりに実現不可能な高過ぎる目標を設定すると、生徒には虚無感しか生まれず、ここにいても意味がないと感じ始めてしまう。与える側と受け手側の修復不可能な断絶はこうやって始まるのだ。
先の1から10の段階の例でいえば、1にいる生徒に2から3の宿題を与えることは、言い換えるとその生徒に「寄り添う」ことになる。1の段階にいる生徒に1の宿題を出しても成長をもたらさないが、成長させたければ寄り添う気持ちを忘れずに2~3のホンの少しだけ高いハードルを見せ続けていく。
この話は教育でも企業でも、普遍的に通用する話のはずだ。
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