「なぜ?」「どうして?」が大事

憤せずんば啓せず、非せずんば発せず。一隅を挙げて、三隅をもって反(かえ)らざれば、すなわち復(また)せざるなり。
(『論語』述而第七より)

「問題意識をもって自分から取り組もうとする情熱のない人間は、ヒントを与えられてもピンと来ない。解決の糸口を見い出そうと粘り強く努力する根気のない者は、何を教えても身につかない。例えば、四角いものの一隅を教えたら、あとの三隅を試行錯誤しながら解明するくらいの意欲がなければ、何一つものにならない」

・・・生徒にひとつ課題を取り組ませる時、考えたり調べたり、ギリギリまで生徒自身に答案をしぼり出させることが多い。

それは、そこまでしないと「なぜ?」「どうして?」という疑問が生徒自身に芽生えず、その段階に来ないと解説も生徒に浸透しないからだ。

教える側はあくまで自転車の補助輪に過ぎず、最終的に生徒に自走させるのが先生の役割だ。決して鮮やかな解説を披露することが先生の目的ではない。鮮やかな解説を生徒が答案に再現して成績も伸びてくるのであればそれに越したことはないが、大半はそうはならない。

だから生徒には「考える」「調べる」を極限まで追求させた方が、その後の伸びしろにつながる。まさに「急がば回れ」だ。

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