冬休みの県立過去問講座の最終日は平成26年前期の大問5「守・破・離」を題材に全員に作文を書いてもらった。突然の出題で制限時間10分、2段落構成、前段で資料の要約、後段で意見・感想を書く。
作文は回収して『添削するのではなく』、全員の作文を人数分コピーして、全員に配布する。そして生徒には赤ペンを持たせて、それぞれの作文の「良い所」と「悪い所」をコメント書きさせる。最後には各自優秀賞を2本選ばせて、それが終わった段階で一斉指導に移る。
A・B・Cの3段階にランク分けして言うならば、まずはBランクから批評を始める。一行ずつ声に出して読みながら、良い所と改善点を指摘していき、「ほら、ここ。こんなによい表現しているのに。みんな気づいた?」などと生徒たちに一斉講義の形で伝えていく。多人数になれば、その分あらゆる問題点という問題点が出尽くすので、生徒達にとってもよい学習となる。「B→C→A」と進み(この順序が指導配慮上重要!)、今回最後に紹介した作文がS・Hさんのこちら。
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「守・破・離」とは、その人のレベルにあった段階のことです。一般的に守ができたら破にいき破ができたら離という順番で進んでいきます。
私は、「守・破・離」の中で「守」を一番大切にしたいです。それは、守とは手本を真似するからです。手本を大事にしていかないと自分自身が成長しないので、私は守を大切にしていきたいと思うし、言われたことは素直に聞いて成長できるようにしたいです。
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今年度最大のインパクト「牛丼、それは牛の命です」(by T・K)ほどの衝撃は無いが、「守・破・離」を自分の言葉でつなぎながら説明し、率直かつ無難にまとめているのがS・Hさんの作文。他人の作文から、悪い所は客観的に見つめて、良い所はどんどん盗んで自分のものにしよう、ということが本指導のテーマである。また、指導者から見た優劣とは別に、生徒自身で選んだ優秀賞も集計して発表する。票を集めた生徒は、それはそれで大いに自信に繋がることだろう。
こういった指導は一斉指導ならではの取り組みであり、来年度も特別講座で実施していきたい。