当塾では中学生で「80分」枠になると、大幅な延長をして120~180分程度の在室時間になる場合がある。
まあ、生徒自身でいえば「早く帰りたい」とか、親御さんならば「明日の学校もあるのだから早く帰らせてほしい」とか、いろいろ思う所もあるだろう。
これはいくつかの目的があって、まず生徒自身から「時間の観念をなくす」という意味がある。私も小・中学生の頃は「塾の授業があと何分で終わる」「あと30分」「あと5分」と時間を気にしながら授業を受けていた。
そうではなく「今日はこの単元を終わらせる」「宿題の直しを全部終わらせてから帰る」という風に、<時間本位>から<内容本位>へ生徒の視点を移動させることが大事なのだ。
また、もう一つの目的としては「生徒がその問題とじっくり格闘しているのであれば、大人の都合でそれを途中で断ち切るのではなく、最後まで生徒本人のペースを尊重すればいいんじゃないの?」という考え方だ。
もちろん、テストや制限時間のある取り組みでは時間配分を学ばなければいけない場面もある。でも、それはそれだ。
例えば、私から見て「10問のうち、あと残り1問だから10分で終わるな」と先読みしても、その生徒が1問の処理に意外と手間取って、そこから30分掛かってしまうことがある。そういう場面では、ふつうは大人の都合で答えを教えたり、強制的に10分で終わらせることをしてしまうだろう。
当塾はそれをしない。生徒が格闘する最後の時間に「滋味」のような栄養が含まれているからだ。