■アクセス
大阪メトロ千日前線の小路駅または北巽駅から徒歩6分。ちょうど両駅の中間に位置する。
■歴史
大正15年(1926)天王寺区に静徳高等女学校として創立。後に浪花高等女学校に改称。昭和2年(1927)現在地に移転。昭和18年(1943)進修高等女学校認可、昭和21年(1946)大軌高等女学校認可(※大軌=近鉄の前身)。昭和23年(1948)3つの高等女学校が合併して浪花女子中学校・高校となり、金光教の運営となった。平成11年(1999)男女共学化され、金光藤蔭高校となった。
■金光教
岡山県に拠点がある教派神道(教義・教典のない神社神道とは異なり、教えを説く神道)の金光教。戦前は奈良の天理教や江戸時代の神道家・黒住宗忠の黒住教と共に、金光教は神道十三派に位置付けられていた。
■学校法人関西金光学園
◎関西福祉大学(兵庫県赤穂市)
◎金光大阪中学校・高校(高槻市)
◎金光八尾中学校・高校(八尾市)
◎金光藤蔭高校(大阪市生野区)
■It’s Me(2つの目)
◎学びのサポート
1年生では6ヶ月間(スタンダードコース)および12ヶ月間(エンカレッジコース)、中学校の国・数・英の学び直しに充てる。
◎心のサポート
生徒だけでなく保護者も不安や悩みを相談できる場所を用意。COCOROカフェ(放課後に生徒が安らげる居場所)、COCORO食堂(保護者対象の茶話会)、COCOROの部屋(スクールカウンセラーの相談)。
■4つのコース
今春は280名定員のところを、超過して304名入学となった。
男女比は男197名:女107名。
<ST>スタンダード
→3クラス98名
入学後6ヶ月は中学校の学び直し、2年次から「特進」「IT」「調理・理美容」「探求」の4コースに分かれる。
<EC>エンカレッジ
→3クラス63名(専願のみ)
不登校など学校生活に不安を抱える生徒向けのコース。
入学後1年間は中学校の学び直し、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)も実施。出願には事前の相談が必須(今春の入試は199名が事前相談し、63名の入学となった)。2年次にスタンダードコースへの転コースが可能。
<AM>アートアニメーションミュージック
→1クラス18名
昨年までの「アートアニメーション」コースに今年から「ミュージック」が加わった。1年次から「アート」「アニメーション」「ブラスバンド」「アクター(声優・俳優)」の4分野に分かれて専門的に学ぶ。
<TA>トップアスリート
→4クラス125名(専願のみ・クラブ顧問の推薦が必要)
7つの強化指定クラブ(柔道部・ラグビー部・サッカー部・女子ソフトボール部・女子バスケットボール部、男子バスケットボール部、陸上競技部)に所属する生徒のためのコース
※エンカレッジコースは現役生のみ募集、他コースは過年度生(1年まで)も出願可能。
■エンカレッジコースの進級
コース内の進級条件「出席:年間授業日数の2/3以上」「定期テスト:40点以上」となり、通常の全日制高校と変わらないが、実際には生徒一人ひとりの状況・事情により判断している。
■R7年春の進路状況
四年制大学 47.9%
短大 1.7%
専門学校 32.2%
就職11.9%
職業技術専門校 0.4%
アルバイト0.4%
就労移行支援1.3%
進路未定 4.2%
■充実した特待生・奨学金制度
中学校の9教科内申を判断基準として、入学金の免除、奨学金の給付といった制度が充実している。大阪府外生にとってもメリットのある内容。説明会では事務長が授業料・奨学金について詳しく解説してくださった。
大阪府内在住の場合、授業料無償化の申請書類を4月に提出することで授業料の徴収がなくなる。大阪府外在住の場合は就学支援金が適用され、令和8年度からはその所得制限も撤廃される予定。
費用面で不安のある家庭でも、しっかり相談に乗っていただける体制である。
■まとめ
金光教を母体としているが、実際の宗教行事は11月の「感謝祭」くらいで、ほぼ宗教色を感じさせない学校。しかしながら、説明会で在校生スピーチをした生徒さんは皆礼儀正しく、物心両面の充実がこの学校にあるから、そういった振る舞いが出来るのだろう。
質疑応答の際には本校勤続30年超の武田校長が即答され、そこに実在する生徒の事例を交えて説明される姿は、血の通った教育が実践されていることの証ともいえる。
大阪でエンカレッジコースを設置している私立学校は貴重な存在だ。そこに社会貢献の要素が垣間見えるのは、やはり宗教をバックボーンに置いた学校だからかもしれない。
縁ある生徒に「こういう素敵な学校があるよ」と伝えたくなった学校訪問であった。
(2025年8月29日訪問)
