経験は宝

「戦争をくぐってきた世代の人たちの演技は、現代にはない鬼気せまる凄みを感じる」

なんでそうなるのだろう、と一週間考えていた。

戦争を経て人生の機微を知ってしまった。「死」を目の当たりにして、自らの「死」も悟ってしまった、人間の着地点を見てしまった。「ではお前はどうする!」と見えない針に突き刺され生きてきたからではないか、と。

明治生まれの私の祖父は徳島の鳴門出身で、東京に出てきた時は空襲で亡くなった人たちの死骸がまだ路面にブヨブヨと残っている状態で、それを踏まないよう注意深く避けながら材木問屋のある木場までたどり着いた、というのである。

日本を高度成長に押し上げた昭和の「モーレツ」世代の人たちの原動力には、「死」が裏返しにあったことは間違いない。

まあ、ここまでは極端な例だが
良いことも悪いことも様々な経験をして、経験しないと実感がわかないし、どれだけYouTubeで映像を見ても、机の前でうなっても、想像で把握できることはたかが知れている。「経験」こそが最大の宝の山なはずである。

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