戦略的な塩対応

そっけない、愛想のない、冷淡な接し方のことを「塩対応」と呼ぶようになってから久しい。

「塩対応」はネガティブな意味合いで用いられることが多いが、これを「戦略的な塩対応」として活用する指導方法がある。

生徒が「依存」の状態に入っている時。つまり、先生の顔色を見ながら、生徒が先生の反応をいちいち気にしないと前に進めなくなっている時に活用できる。

この時、生徒の中では思考の主体が自分自身ではなく、先生に置き換わっている

例えば「僕が左と言ったら先生がNGな反応をした。だから僕は右を選んだ」、そんな具合である。

こういった場面で生徒に寄り添う方法もあるのだが、見た目は優しそうに見えても、それでは根本的な解決が出来ない。

根本的に解決するために使う方法が「戦略的な塩対応」となる。

例えば、こうだ。生徒が「このページが分かりません」と言ってくる。

その原因が初期のエデュケーション不足で本当に分からないのならば指導側の責任だが、そうではなく本人が単に「問題を読んでいない状態」「思考停止している状態」であれば、指導側は生徒に「分かる」とだけ伝えて突き放す。

ここで生徒本人から相手に向かっていた矢印(他者依存の状態)自分自身に引き戻させる効果が出てくる。

「自分と向き合う」精神状態に持ち込ませることが大変重要なのである。

ただし、注意しなければならないのは塩対応の後で、突き放して放置すればよいのではない。放置するのは指導側が自身の仕事を放棄するのと同じことになる。

そうではなく突き放した結果、その後の動きを指導側はよく観察し、生徒本人が自分に矢印を向けることをあきらめる場合もあるので、矢印を自分自身に向けるように(自分と向き合うように)根気強く細かな声掛けをする必要がある。

この手法はちょっと高度なので誰でも簡単に真似出来るものではないが、ここまでの手法を用いなければ「自分と向き合う」構図を生み出すことは困難である。

※過去記事「自分と向き合う」